兵藤恵昭の blog

団塊世代の特定社会保険労務士。博徒史、アウトロー中心に書いています。

年金支給延長70歳超を検討する政府

70歳超へ年金受給繰り下げ制度検討の新聞記事が話題になっている。現在は繰り下げ可能年齢は66歳から70歳まで。70歳になればそれ以上繰り下げできない。そのため政府は支給延長を考えている。理由は少子高齢化の年金の対処である。

65歳から70歳まで5年間支給繰り下げすると年金額は42%増加する。年金相談で4割強の利子が増えると説明する人もいる。しかし全く銀行預金とは違う。年金は元本保証がない。70歳繰り下げすると約12年後の「82歳」到達で65歳支給額を超える。それまでに死亡すればマイナスである。

70歳からは増加率がアップする。5年で60%程度となるだろう。両方で倍額になるにしても、75歳受給開始で収支分岐点は約90歳になる。あまり意味ある選択ではない。

なぜ政府はこれを検討するのか?現在の65歳支給開始を68歳、70歳まで延長したいためである。現制度の65歳支給が完成するのはあと8年後である。それまでに国民の納得を得たいのだろう。

一方でGPIFの運用益が7兆円を超えたと言われる。国内外株高の含み益である。含み益は利益確定しなければ、年金に利益額を利用できない。含み益の利益確定とは、含み益のある株を売却しなければならない。現在、株高ではあるが、株高のため、金融緩和と理由をつけて、日銀はETF投資で買い支えているが、もう限界説が出ている。今は年金の利益確定ができない。利益確定、即ちGPIFが株売却すれば、株価が暴落する。含み益は絵にかいた餅である。

しかし年金支給額を抑えなければならない。政府は過去5年間で年金給付額削減を実施した。削減額は「特例水準解消」で1兆2,500億円、「マクロ経済スライド」で4,500億円、「0.1%の物価変動」で500億円、合計1兆7,500億円。こちらは現実の給付額の削減だが、この程度では解決にはならない。

従って、年金支給年齢の引き上げが喫緊の課題となっている。一年、年金支給を引き上げすれば1年分の年金額が削減できる。しかし、その影響は高齢者の生活を直撃する。来るか、来ないかわからない北朝鮮ミサイルの防衛対策より、将来高齢者の不安が確定視された現在、国民の年金救済の方が先でないか?